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折坂悠太の名盤『平成』全曲レビュー!

音楽コラム:あまりに良すぎた。折坂悠太「平成」アルバム全曲レビュー! 趣味・コラム
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夫

以前、折坂悠太の絶大なる才能を紹介しました。

その後、名盤『平成』を聴きました。

あまりにも良すぎたので、全曲レビューしたいと思います。

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折坂悠太『平成』全11曲レビュー

1曲目「坂道」

カエターノ・ヴェローゾを思わせるトロピカルなアレンジなのに、メロディーがどこか童謡っぽさもあり耳を引く。

妻に「このニュアンス分かるよね?聞いたことあるよね?」と同意を求めたが、「分からん」と一蹴された。

くじけず「魔法じかけのこの歌を〜♪、みたいな歌よ」と説明しても、「分からんって!」とキレ気味。

よく考えると、NHK『みんなのうた』や音楽の授業でしか聞いたことなく、タイトルすら知らなかった。

ググってみると、「切手のないおくりもの」。

作詞作曲はまさかの財津和夫。チューリップ。「ひとつ屋根の下」じゃないですか。

トロピカル風味の童謡と思わせといて、ニューミュージックやポップスの文脈でもあったんですね。

2曲目「逢引」

「坂道」が終わると、ドラムが鳴り始める。それだけで景色を変えてくれる。日常から一変、みたいな。

ドラムに続いてピアノ。この融合。非日常さが増幅する。この曲は私をどこに連れて行こうというのだ。

アレンジの方向性はジャズ風か。ベースはウォーキングしているし、ギターはカッティングでリズムを刻む。

さて、肝心のボーカル。浪曲風かと思ってたらスキャットみたいに語りを入れてきたぞ。出征みたいだ。

あれ、「各都市の私が呼び合うように」「腹決めた子供たち」とか、歌っているぞ。

本当に出征の歌?「日常を一変」させるイントロってそういうこと?前線の兵士を慰問する楽団の歌?

3曲目「平成」

折坂悠太は1989年生まれ。すなわち平成元年生まれが2018年(平成30年)に放つアルバムのタイトル曲。

「疲れてた」で始まり、「幸、おれたちに多くあれ」で終わる。

「平成は色々嫌なことあったけど、令和はたぶん明るいぜ」という心境なのでしょうか。

4曲目「揺れる」

「揺れたろうか」と「夢だろうか」で韻を踏んでいるのが思わせぶり。

固定されない。フィックスされない。

そんな浮遊感は、ギターとアルトサックスだけのアレンジにも込めているのだろうか。

5曲目「旋毛からつま先」

Aメロ、Bメロ、サビのような構造ではない曲。頭のてっぺんから足の先までの愛を表現した歌。チンドン屋みたい。メキシカンな感じもする。

君の顔 耳の形 食べちゃいたいほど吐きそうだ

引用:折坂悠太『旋毛からつま先』(作詞:折坂悠太)

って歌っているけど、つま先まで愛していてもやっぱり食べたら吐くのかな。

6曲目「みーちゃん」

幼少期の姉を歌っているらしい。冒頭、ハンドクラップとベースのリズムが別々で心が掻きむしられるみたい。

ちなみにうちでは車でかけると子ども二人が「(息子)ちゃん、ダメ〜」「(娘)ちゃん、ダメ〜」と「ダメ」の押し付け合いをする。

曲は全体的に民謡っぽいのにエンディングはジャズの即興演奏風になる。

エンディングに入る前のフェイク「うあっ」が入るからか、ソウルっぽさもある。

うちの子どもには、この「うあっ」こそ真似してほしい。

7曲目「丑の刻ごうごう」

タイトル通り、丑の刻(午前1時とか3時とか)に呪いをやってるんだろうか。

「高速道路」というワードもあるから、平成令和に五寸釘打っている男の歌なのだろうか。

8曲目「夜学」

全編ポエトリーリーディング。

間奏ではシャウト。アルトサックスでジャズっぽさを演出。ドラムと合わさるとアフロビートぽくも聞こえる。

「夜学」と「若く」と「長く」と「あがく」で韻を踏んでいる。

歌詞の締めは「野に花の咲くような」。これまた童謡ですね。

9曲目「take13」

インスト。

ピアノとヴィブラフォンとアルトサックス。ずっと同じメロディーが鳴っている。

10曲目「さびしさ」

サントリー天然水のCM。この記事を読んでくれている方も「あ、あの曲」とすぐに思うのではないでしょうか。

出会いの歌。恋の歌。別れの歌でもあるのか。ボーカルは裏声の入れ方が巧み。アルバムの最後を飾るような曲調だが本当は最後から2番目。

やがておれたちは砂浜の文字を高波に読ませて言うだろう

引用:折坂悠太『さびしさ』(作詞:折坂悠太)

という歌詞に惹きつけられる。

文字が波に消される様を「読ませて」と表現しますか、と。

11曲目「光」

本当に最後の曲。

ガットギターとストリングスだけで歌っていて、「これが本当に終わりの曲です」と言われたら、「ああ、そうですよね」と優しく言ってあげたくなる曲。

よく聞くと、前曲の「さびしさ」にはベースもマンドリンも入っており、「光」の楽器の少なさとコントラストになっていて、「終わりの曲」としての存在感を引き立てている気がする。

まとめ

全11曲、どこをとっても折坂悠太の規格外の凄みが詰まった1枚でした。

気になった方は、ぜひ一度アルバムを通して聴いてみてください。

(※ CDは品切れ・中古流通の場合があります。)

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