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大瀧詠一の凄さとは?はっぴいえんどと日本語ロックの革新性!名盤の魅力を考察

音楽コラム:はっぴいえんどと日本語ロック:大瀧詠一が令和に響く理由 趣味・コラム
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夫

音楽コラム、はじめました

配信全盛の今も、私はCDで音楽を聴く。

手元に残ったCDは1500枚を超えた。

LUXMANのアンプの電源を入れ、JBLのスピーカーを通して鳴らす音に浸る時間が、何よりの贅沢だ。

子どもたちにも色々な音楽に触れてほしくて、一緒に聴く時間を大切にしている。

ふと聴きたくなるのは、はっぴいえんどの「はいからはくち」

ファンク・ロック風のライブバージョンや、あがた森魚バージョンと聴き比べるのも面白い。

さて今回は、日本語ロックの歴史において特別な輝きを放つ、大瀧詠一の革新性について語りたい。

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日本語ロックの確立、その注目すべき存在

日本語ロックの確立を語る上で、はっぴいえんどとサザンオールスターズは絶対に外せない。

はっぴいえんどは松本隆の「日本語で描く日本の情景」、サザンオールスターズは桑田佳祐の「巻き舌と早口」を武器に、それぞれのスタイルを確立した。

しかし、日本語ロックの歴史において、私が何よりも強調したいのは、はっぴいえんどのメンバーでもある大瀧詠一のソロワークだ。

大瀧詠一、日本語ロックにおける革新性と先駆性

大瀧詠一の功績は、単に「日本語でロックを歌った」というレベルに留まらない。
インターネットすらない1970年代に、彼はリズムアンドブルースの独特のグルーヴと黒人音楽特有の節回しを、自身の音楽にいち早く、そして実験的に取り入れた異端の先駆者だった。

はっぴいえんどが1971年に発表したアルバム『風街ろまん』は、その過渡期の鮮やかな記録だ。

「颱風」で聴かれる楽器のようなフェイクは、リズムの面白さを追求する実験精神の表れそのものである。

そして、松本隆作詞、大瀧詠一作曲の「はいからはくち」。
ここでは黒人音楽のリズムに乗せながらも、日本語の言葉遊びを大胆に導入し、それまでにない全く新しい響きを生み出している。

はっぴいえんど時代の楽曲も素晴らしいが、ソロ作品ではその尖ったリズム感がより一層際立つ。

1972年のアルバム『大瀧詠一』に収録された「おもい」では、ファルセットやコーラスワークにザ・ビーチ・ボーイズなどのアメリカンポップスからの影響が色濃く漂う。

一方で、大瀧自身が作詞を手がけた「びんぼう」や「ウララカ」では、「はいからはくち」で見せた言葉遊びがさらに進化。
「母音が多く、ロックに乗せにくい」とされる日本語の特性を見事に克服し、グルーヴへと昇華させている。

特に「あつさのせい」は特筆すべき一曲だ。
印象的なコーラスワークに加え、冒頭の「あ」と「つさ」の間に入る、絶妙な休符。
このコンマ何秒の間(ま)こそが、楽曲全体に強烈なウネリを生み出している。

こうした要所のリズム処理こそ、大瀧詠一の卓越した音楽センスを示す好例だ。
独特なリズムを日本語の歌詞に自然に、そして心地よく乗せる技術は、まさに天才の所業と言うほかない。

表面的に黒人音楽のスタイルを模倣するのではなく、そのエッセンスを深く理解し、日本語話者ならではのメロディーと融合させて全く新しい音楽を生み出す。

この唯一無二のスタイルがあったからこそ、彼は日本語ロック黎明期において異彩を放ち、後続のミュージシャンに計り知れない影響を与えたのだ。

時代を超えて響く大瀧詠一の音楽

大瀧詠一が構築したリズム感は、現代の音楽シーンにおいても全く色褪せない。

わが家の子どもたちはMrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)のような現代のポップスを好んで聴く。

だが、ドライブ中にふと「空とぶくじら」をかけると、彼らも自然と体を揺らし、リズムに乗って楽しんでいる。

娘に至っては、

娘

ちゃん♪ちゃん♪ちゃん♪ちゃん♪…

…と楽しそうに口ずさむほど。

本物のリズムは、世代をあっさり超える。

かつて私たちの世代には、音楽好きの間で、邦楽よりも洋楽を上位に置くような、いわゆる「洋楽コンプレックス」が確かに存在していた。

だが、今の世代はそんな垣根をとっくに超えている。

近年の音楽シーンで注目を集める藤井風の楽曲にも、大瀧詠一の音楽に通じるような、日本語の響きを活かした独特のリズム感を感じることがある。

藤井風やKing Gnu、そしてヒップホップシーンではAwichやAIといったアーティストが登場し、それらをフラットに聴きこなす若い世代の耳には、最初から洋楽も邦楽もない。

洋楽的なリズム感覚が、ごく自然に身体にしみ込んでいるのだ。

これは、作り手であるミュージシャンたちが、幼い頃から様々な洋楽のリズムに自然と触れ、それが自身の音楽性の中に、ごく自然に取り込まれるようになったことの表れかもしれない。

だが振り返れば、その地平をかつて孤独に切り開いたのが大瀧詠一だった。

弟子の鈴木雅之のソウルフルな歌唱、久保田利伸や平井堅が根づかせたR&Bのテイスト。

それらはすべて、大瀧詠一が半世紀前に蒔いた「日本語とブラックミュージックの融合」という種が、長い時間を経て、日本の音楽シーン全体に浸透してきたと捉えることができる。

そして、藤井風の楽曲に感じる、あの独特のグルーヴ。King Gnuの楽曲が持つ、リズムの複雑さ。そして、AwichやAIのフロウの心地よさ。

これらのアーティストたちの音楽には、洋楽的なリズム感覚が自然に息づいている。
それは、大瀧詠一がかつて孤独に切り開いた地平が、今や当たり前の風景になりつつあることを示唆しているのではないだろうか。

藤井風の音楽が、現代の人々を魅了するように、大瀧詠一の音楽もまた、時代を超えて、聴く者の心を深く揺さぶる力を持っている。

令和ポップスへの影響と継承

大瀧詠一の音楽は、決してノスタルジーや懐古趣味で語られるべきものではない。

シティポップが世界中で再評価される今、彼のサウンドは依然として現代の音楽に大きな影響を与え続けている。

もしあなたが、日本語ロックを深く知りたいと思っているなら、大瀧詠一の音楽を避けて通ることはできない。

まとめ:大瀧詠一の音楽に触れるということ

サブスクで音楽が瞬時に消費される今だからこそ、大瀧詠一が鳴らした音の奥行きと、日本語を自在に遊ぶリズムの凄みを、あえてじっくり味わってみてほしい。

彼の音楽はきっと、あなたの音楽観を静かに、けれど根本から揺さぶるはずだ。

▼本文で紹介した「あつさのせい」「ウララカ」も収録!
大瀧詠一が黒人音楽のリズムを日本語に落とし込む「実験の瞬間」が詰まった1stアルバムの50周年記念盤は必聴!

▼細野晴臣の遺伝子を継ぐ「現代の異才」に衝撃を受けた記録。あわせて聴いてほしい▼

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