「中古住宅を探したいけど、とりあえずネットで見てみたら良いかな?」
家探しの右も左も分からなかった数年前の私たち。まさにそんな軽い気持ちで中古物件探しをスタートさせ、大きな後悔をすることになるとは、夢にも思っていませんでした。
人生で一番高い買い物になるかもしれない家探し。
誰もが失敗を避けたいと願うものですが、何の予備知識も持たずに臨むと、気づかないうちに落とし穴にハマってしまうことがあります。
今回は、私が中古物件を探す中で、心底痛感した経験をお話しします。
それは、「物件を探し始める前に、まず信頼できる不動産仲介業者と、親身になってくれる担当者を見つけることが何よりも重要だった!」ということです。

この記事は以下の方におすすめです!
- 中古物件を探し始めたばかりの方
- 不動産取引で後悔したくない方
- 家探しで何から始めたら良いかわからない初心者の方
安易な内覧の申込が招いた、最初にして最大の失敗
中古物件を探し始めたばかりの頃、インターネットで見つけた気になる物件。
掲載元は、たまたま近所にある中小の不動産仲介業者でした。
「ここに連絡すれば、すぐに内見できるんだな」と、深く考えることもなく電話をかけたのが、今思えば全ての始まりでした。
一番の後悔は「探し方の順番」を間違えたこと
今、振り返って一番後悔しているのは、中古住宅の探し方をろくに調べもせず、物件の掲載元に直接連絡し、内見してしまったことです。
この行動が、私たちを「両手仲介」という、買主と売主の両方の仲介を同じ仲介業者が行う状態へと導いてしまったのです。
もちろん、両手仲介であっても、仲介業者の誠実な対応があれば、問題なく理想の家を購入できるケースもあるのかもしれません。
しかし、私たちの場合、その後、担当者の対応に疑問を感じることが増えていき、両手仲介であることへの不安が日に日に募っていきました。
一度そうなってしまうと、売主と買主の利益相反になるリスクを孕む両手仲介では、たとえ仲介業者に悪意がなかったとしても、「もしかして相手の都合の良いように話が進められているのでは…?」という疑念がいちいち頭をよぎるようになります。
通常なら、担当者に一度聞いたら済むようなことも、「それ、本当かな?」と少しでも疑問に思った場合は、自分で調べたり、不動産の無料相談窓口に問い合わせたり…と、余計な手間と労力を費やす羽目になりました。
少なくとも、買主にとっては、両手仲介はデメリットしかないと感じました。
私たちの不安を増幅させた、具体的な出来事をいくつかご紹介します。
不安ポイント①:担当者の根拠のない回答に抱いた不信感
初めての内見で対応してくれたのは、どこかテキトーな印象の営業さんでした。
気になった点をいくつか質問しても、「それは○○です!」とキッパリ答えてくれるのですが、具体的な根拠となる説明はあまりありませんでした。
例えば、中古住宅なので、やはり建物の状態は気になります。
内覧時の質問で、「インスペクション(建物状況調査)はできますか?その場合、いつ頃できますか?」と尋ねた時のこと。

インスペクションですか?する人は、ほとんどいませんね。時期は、引き渡し後になります。
…と、彼はやはりキッパリと言い切りました。
その時は、知識もないので「そうなの?まあそうなのか…」と思って帰りました。
しかし、家に帰ってから改めて調べてみると、契約前にインスペクションを行うことを推奨する情報も多く見られました。
実施時期の決まりは一つではないことや、なぜ引き渡し後になるのかといった理由をきちんと説明してほしかったと感じました。

物件の引き渡し後に検査して、もし大きな瑕疵があったら私たちはどうなるの…?何もかもが分からなすぎる…
今振り返っても、中古住宅購入に不安を抱える私たちの気持ちには寄り添ってもらえなかったと感じています。
一方で、彼は、「どうですか?」「しっかりした物件ですよ」と、やたらと購入を急かすような言葉も多く、正直、話していてあまり安心感はありませんでした。
今思えば、この最初の内見で「ちょっと合わないかも?」と感じた時に、別の仲介業者に相談していれば、結果は違っていたかもしれません。
ちなみに、後日、同じ仲介業者の別の方に、彼にした同じ質問をいくつかしてみたところ、きちんと説明して下さいました。
この時、同じ仲介会社の中でも、担当者によって対応のレベルが全く違うことがあるので、やはり、疑問に思った点は遠慮せず確認するべきだったのだ、と気づかされました。
不安ポイント②:一部しか見せてもらえなかった登記事項証明書
内見後、何となく気になって、「登記簿謄本ってありますか?」と担当者に聞いてみました。
すると、彼はタブレットを取り出し、そこに表示された謄本の現所有者の部分だけを見せてきました。
全部のページは見せてもらえないのか、と疑問に思いましたが、当時の私たちは遠慮してしまい、「まあ、そういうものなのかな」と納得してしまいました。
しかし、購入の申し込みをした後になって、その物件が実は元々中古で、現在の所有者が2代目だという事実を知ったのです。
「あの時遠慮せず、土地と建物の登記事項証明書を全部見せてもらっていれば分かったのに…!」と、かなり後悔しました。

法的にどうなのかは分かりませんが、元々新築と中古では、受ける印象は大分違います。新築の家と中古の家では、どちらをより丁寧に扱うでしょうか…?
今となっては、担当者は意図的に全部のページを見せなかったのではないか?とさえ疑ってしまいます。(わざわざこちらから登記事項証明書を見せてと言った購入希望者に対して!)
売主のご夫婦はご高齢で、担当者は「綺麗に住まれていますよ」と何度も強調しており、まさか建てた人と違うとは想像もしていませんでした。
登記事項証明書の内容は、一見難しそうに見えますが、見方を知れば、誰が読んでも理解できるように作られています。
もっと自分の目で全体をしっかりと確認しておくべきだったと痛感しています。
不安ポイント③:買主の味方ではない?と感じた値引き交渉
いよいよ購入申込という段階になり、担当者に、「値引き交渉は、一般的にどれくらいまでできるものですか?」と尋ねました。
担当者が答えた値引き幅の相場は、その時点で私たちが本やネットで調べていた相場よりもかなり少ないものでした。

正直、それでは少し高いな…もう少し何とかならないかな…。
そこで、自分たちなりに考えて、「この金額であれば」と思う金額を、非常識にはならないと思う範囲で担当者に伝えたところ、彼は渋い顔をした(ように見えた)後、その場で言いました。

その値引き幅では難しいと思います。交渉はしてみますけど、もしダメだったら、〇〇万円上乗せした額で折り合うのはどうですか?
…まだ売主との交渉も始めていない段階で、なぜ私たちが妥協案を提示しなければならないのでしょうか?
その仲介業者は、売主側の仲介業者でもあるのです。
この発言で、私は、「この人、本当に私たちの味方なのだろうか?」と不信感を抱きました。
私たちは、その金額で難しければ、一旦諦めて他の物件も含めて検討するつもりだったので、彼にその旨を伝えました。
すると結果的に、購入申込して数日後、担当者から、私たちの希望額で申し込みが了承されたという連絡がありました。
しかし、それと同時に、担当者からは、売主が2代目の所有者であることや、家のどこそこに気になる傷みがあるなど、いくつかの気になる点を伝えられたのです。
「えー!」と思わず声が出ました。
これらの情報は、物件の申込前に、売主の方は当然把握していたはずです。
これには、担当者は、売主にとって都合の悪い情報をギリギリまで隠し、できるだけ高値で早く契約させようとしているのではないか?と、疑心暗鬼にならざるを得ませんでした。
契約まで一週間!?戻れなくなり、不安を抱えたまま契約へ
そうなると、私たちは、それらの情報を知らずに購入申込した金額は本当に妥当だったのか?というモヤモヤがいつまでも残りました。
しかし、内見も済ませ、既に、購入申込にも売主からの承諾を得ている状況です。
そして、担当者に、契約はいつ頃になるのか尋ねると、「中古物件は、内見から1週間程度で契約するのが一般的です」と言われました。(これはこの方が言われたことなので、真偽は分かりません。)
そこまで段階が進んでいるのなら、今さら仲介業者を変えて良いのかも分からず、結局、私たちは不安を抱えたまま契約へと進んでしまったのです。
実際には、契約前にインスペクションを実施したり、私たちの疑問点を確認するのに時間がかかったりして、契約にこぎつけるまでには、担当者の言う一週間よりも大幅に長い期間を要することになりました。
結局、家は買えた。しかし反省点ばかり!
その後も、いくつか不審に思うことはありましたが、ここでは割愛します。
最終的には、無事に(?)家を購入することはできました。
しかし、振り返ってみると、常に不信感を抱えたまま進んでしまった取引だったため、今でも失敗したと思っています。
私たちが、気になる物件を見つけた時に、まずするべきだったのは、良い不動産仲介業者と信頼できる担当者を探して相談することでした。
それが無理でも、担当者の説明に納得できなかったり、対応に違和感を覚えた時点で、なるべく早く引き返すという選択肢を持てていれば…。
私たちの場合、せめて、購入申込をする前に、別の仲介業者に相談し、その結果によっては仲介業者を変更するべきだった、と今でも悔やんでいます。
最後に
今回の私たちの失敗談が、これから家探しを始める皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
最後に、今回の記事のポイントはこちら!
中古住宅探しで、我が家が後悔して気をつけたいと思ったこと
- 中古物件探しでは、まず信頼できる不動産仲介業者選びが重要。
- 担当者の説明に納得できない点や不安を感じたら、遠慮せずに質問することが大切。違和感を感じたら、なるべく早めに他の仲介業者に相談することも検討。
- 両手仲介は、売主と買主の利益が相反するため、特に注意が必要。なるべく避けたい。
上記は、あくまで素人の我が家が、買主目線で感じたポイントです。
それこそ、信頼できるプロの不動産仲介業者を見つけて、納得いくまで相談されることをおすすめします!
家探しは、人生における大きな決断です。焦らず、慎重に、そして後悔のない選択をしてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。