「わが家の庭先に、可愛い野鳥を呼んでみたいな」
そう思いつつも、「人の気配がある場所でも鳥は来てくれる?」「カラスやヘビに襲われないか心配」と悩む方は多いのではないでしょうか。
自然相手のことなので「これで絶対に安心!」という正解はありませんが、わが家の実家の両親が、自宅の物干しテラスの下という、思いきり生活圏内の場所で、シジュウカラの巣立ちを見届けることに成功しました。
今回は、私の実家の実録エピソードをもとに、人間と小鳥がほどよい距離で過ごした150日の記録をお届けします。

この記事は、以下の方におすすめです!
- 自宅の庭先などにシジュウカラを呼んでみたい方
- 人の生活と鳥の営巣を両立させる工夫を知りたい方
- 手作りの巣箱やバードバスの体験談に興味がある方
始まりは桜の木の「巣穴」。父の直感から始まった手作り巣箱
始まりは、昨年の秋でした。
近所で桜の木が伐採されることになり、そのときDIY歴50年の父のアンテナが反応したのです。
父は、伐った枝に直径25mmほどの小さな穴を見つけました。
「これは小鳥の巣穴だ」と直感した父は、小鳥の巣箱として再利用できないかと思い、穴が開いている部分を30cm程切り取ったものをもらってきました。

設置場所に選んだのは、自宅の「物干しテラスの屋根」。
猫やヘビが近づけないようにと、足掛かりのない支柱を選び、高さ約2mの位置に固定しました。
また、厳しい西日が直接差し込まないよう、穴の向きは東向きに。
さらに、巣箱に小さな「止まり木」も取り付けました。

ネットの情報では「天敵の足場になるから不要」と言われることもある、止まり木。
わが家の場合、これがのちに、ひなたちにとって大切なスポットになります。
【実録】洗濯物干しとの心理戦?シジュウカラと過ごした150日
人間が毎日のように使う、物干しテラス。
本当にシジュウカラはやってきてくれるのか、両親は楽しみにして巣箱を見守っていました。
1月ころ:お部屋の下見
シジュウカラのつがいが巣箱に気付いたようで、時々穴を覗くようになりました。
2月ころ:せっせと新居づくり
小さな枯草や鳥の羽毛などを口にくわえて、せっせと持ち込む姿が見られました。
どうやら営巣活動が始まったようです。
3月:静かな抱卵期
一転して、なんとなく静かな状態が続きました。
今から考えると、卵を温めていた時期だったようです。
4月下旬ころ:大忙しの育雛期(いくすうき)
2羽の親鳥が、朝早くから夕方薄暗くなるまで、せっせと餌を運び込むようになりました。
どうやら、ひなが無事に孵(かえ)ったようです。

ここで、わが家にとって一番の懸念だったのが「毎日の洗濯物干し」でした。
物干し場に人が出ると、親鳥は家人を警戒するように、近くの電線からこちらの動きをじっと伺っています。
鳥たちを驚かせないよう、洗濯物を干すときはサッと済ませ、気付かれないようにいつも家の中からソッと様子をうかがっていました。

この「お互いにちょっと警戒しながら見守る」という距離感が、結果的に安心感に繋がったのかもしれません。
5月の終わり、あっさりとした巣立ちと「ロス」の訪れ
そして、5月の終わりのある日の午前8時頃、ついにその時が訪れます。
いつものように親鳥が餌を運び入れていましたが、一羽のひなが突然、巣穴からパッと飛び出しました。

そして、父が付けたあの止まり木にきゅっとつかまり、周囲をきょろきょろと見回した後、大空へ向けて力強く飛んでいったのです。
いきなり広い世界へ飛び立つのは、小さなひなにとって怖かったはず。
あの止まり木は、ひなが心を決めるための「最初の一歩の足場」として、本当に優しいステップになっていました。
その後、四羽のひなが次々と飛び出していきました。
親鳥を含めて七羽のシジュウカラが、しばらく家の周りの電線に一列に止まっていましたが、そのうちどこへともなく飛び去って行きました。
小鳥が全員飛び去ったあとの物干し場はガランとして、何となく寂しい夫婦二人。
すっかり「シジュウカラ・ロス」になってしまいました。
後日談:なんと、小鳥たちが戻ってきた?
感動の巣立ちから数日経った6月初め、思いがけないことがありました。
なんと、物干し場にシジュウカラが二羽、ひょっこり戻ってきたのです。
今はまたどこかへ飛び立って行きましたが、写真を撮ることに成功した両親は、「大きいから多分親鳥かな?また来るかもね」と、すっかりロスが吹き飛んで喜んでいました。
実は、シジュウカラのひなは巣立った後も数週間は親鳥と行動を共にし、周辺の環境を覚えるために元いた場所の近くをウロウロすることがあるそうです。
帰省(?)だったのか、ただの偶然だったのかは分かりませんが、手作りの巣箱が繋いでくれた、ちょっと嬉しい後日談でした。
よくある疑問を、父に聞いてみた
ここで、私が気になっていたことを父にインタビューしてみました。
Q.木の穴の中には、何か敷いてあげたの?
「切り出した桜の木をそのまま使っただけ。巣穴の中は、元々空っぽで何にもなかったし、何もしてないよ。すべて小鳥におまかせでした」
Q.ツバメの巣の下はフンだらけになるけど、物干し場がフンで汚れたりしなかった?
「下には一回もフンが落ちていなかったよ。親鳥がひなのフンをくわえて、毎回どこか遠くへ持って行っていたから。
フンの匂いで外敵に狙われないための工夫らしいけど、鳥たちの知恵とマメさには驚かされるね」
まとめ:次の季節に向けて、今からできる仕組み作り
小鳥たちが旅立ちから間もなく、父はさっそく次の工夫を始めていました。
このあとやってくる小鳥のためにバードバス(小鳥の水場)を作り、巣箱近くのフェンスに取り付けたのです。
なんと、100均で売っている鉢底皿を改造した手作り品です。

今年の夏も暑くなるようです。この後どんな小鳥が涼みにやって来るか、両親は今からワクワクしています。
シジュウカラが「来年の春に住む物件」を探し始める下見シーズンは、実は秋冬の寒い時期からすでに始まっています。
早めに設置して環境に馴染ませておくことが、翌春の入居率をグッと上げる最大の秘訣です。
「わが家の庭やウッドデッキでも、小さな命の誕生を見守ってみたい」
そう思った方は、小鳥たちが「ここは安心できる場所だ」と認識してくれるよう、今のうちから少しずつ準備を始めてみませんか。
手作りの温かみはもちろん素敵ですが、「巣穴がある木を見つけて切り出すのはちょっとハードルが高いな…」と思われたかもしれません。
そんな時は、お庭の雰囲気に合わせて手軽に設置できる市販のアイテムも豊富に揃っていますよ。
天然木で作られたシンプルな巣箱は、お庭の景観に溶け込み、シジュウカラが好む「穴の直径約27mm」という失敗の少ない設計があらかじめ施されているため、初めてでも取り入れやすいです。
また、夏の暑さしのぎや水飲み場になるバードバスを近くに置いておくと、小鳥たちの警戒心が和らぎ、お庭に立ち寄る確率が格段にアップしますよ。
ご自宅のお庭やベランダのスペースに合わせて選べるお役立ちアイテムは、通販サイトでもたくさんの種類を比較できます。
▼お庭に置くだけで小さなお客さまがやってくる!掃除しやすい扉付きタイプは、外敵に開けられないよう針金などで補強すると安心です▼
※ ネットで検索して探す場合は、スズメに巣を乗っ取られる「穴の大きな巣箱」に注意してください。購入時は、必ずシジュウカラ用の巣穴の大きさ(約27mm)であることを確認してくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



